105系などの旧車はボディの状態・程度を図るものとしてサイドステップや
床のクサリというものが分かり易い判断材料とされます。
もちろんそれらも重要な要素ではありますが、その他にもボディラインや塗装からくる
全体のたたずまい・雰囲気というのも、また別の大事な判断材料の一つです。
ボディレストアは板金作業後にパテをもり、ボディラインを作るわけですが、
新車当時のオリジナルのボディラインというのは、すべての箇所のエッジが
たっているわけではありません。
例えばクーペモデルであれば、サイドの前から後ろへ流れるように描かれているラインも
鼻先やテールに到達する直前に段々とラインのエッジは薄れていきます。
もちろん塗装色にもよりますし、なんとも言葉には表しづらい”程度”ですが
ライン全体もピッシリと尖った印象を持つほどのエッジではありません。
さらに新車当時と最近では塗装の行程がそもそも違います。
最近では当たり前の最終の艶出しとしてのクリア塗装というものがありません。
当時はクリアぶきでなく、塗装はソリッドです。
それゆえ視覚的に比較すれば温かみ・丸みのある印象となります。
昨今は、ガラスコーティングで得られるようなつやつや・ピカピカでエッジが立ち、
とにかくメリハリがはっきりとしている事を”状態が良いモノ”として判断されている
事が多くなっているような気がします。
たしかに視覚的・直感的にキレイと思ってしまうのも、わからない事ではないですが
昔から”良い”とされてきたモノは、奥深く・趣がある色・たたずまいの車です。
長い目でみて飽きが来なかったり、長く乗っていても改めてみるとハッとさせられる車は
つるつる・ピカピカの車ではありません。
もちろん塗装維持の為にワックスで油膜をつくりピカピカにするのは、どんどん
やっていただいてかまいません。。。
旧車高騰もあり、おそらくこれからは当時の趣を知らずにレストアされていく車も
増えていくのではないかと思います。そして業者側・お客様側も
本当の”雰囲気”を知らなければ、どんどんといじり・作られ過ぎた雰囲気の車だらけに
なっていくのではないかと思います。
弊社がボディレストアに関わった車は、出来る限り雰囲気を壊さないレストアを
心がけております。
それは私達が”良い”と思える当時の趣を残した105を1台でも多く維持しておきたい
という願望をかなえる仕事ですので。。。
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